外国人材が活躍できる環境にいま必要なものとは。

レッド

written by ダシマス編集部

200万人に迫る勢いで増加している外国人労働者の数。

今や日本の労働市場において欠かすことの出来ない存在となっていますが、失踪や雇用上のトラブルについての問題も多く聞かれるようになっています。

その背景にはどのような課題や解決策が隠されているのか、今回は外国人材が日本で活躍できるような環境作りを行うKUROFUNE株式会社の倉片稜さんにお話をお伺いしました。

倉片 稜

倉片 稜

KUROFUNE株式会社 代表取締役社長。東北大学経済学部卒業後、外資系メーカー勤務を経て2018年にKUROFUNE株式会社を創業。 外国人が日本で活躍できるような環境作りを行う。在日ベトナム人就業者支援協会の代表を務める。

加納 宗明

加納 宗明

ADD1株式会社 代表取締役。南山大学経営学部卒業後、商社勤務を経て2019年にADD1株式会社を創業。 2020年4月よりインビジョン株式会社コンサルチームに所属。建設業を中心に採用コンサルティングを行う。

ー加納:倉片さん、本日はよろしくお願いします!早速ではありますが、外国人材が活躍できる環境づくりのポイントや気を付けるべき点について教えて下さい!

 

倉片:「社内体制が出来ている」ということが大きなポイントの1つに挙げられます。当然のことながら外国人材を現場に定着させる手法は日本人向けのものとは異なってきます。業務はもちろんのこと、生活面でのサポートも重要になってきますので、その辺りの体制が整っていないことがトラブルの原因になりやすいです。

 具体的には、採用担当と現場との間に考えの違いがあるパターンが多く見られます。「なぜ、いま外国人の採用が必要なのか」、「どのように外国人材を全社的にフォローしていくか」が明確になっていないと現場任せのマネジメントとなり、言語の壁も大きい中で「見て学べ」の体制になってしまいます。彼らがどれだけ一生懸命学ぼうとしても、これではハードルが高すぎてしまうんですよね。トラブルの7~8割はここに原因があります。

 

ー加納:すごく腹落ちします。。それにしても7~8割とは凄い数字ですね。でも、体制を整えること自体が難しそうな印象もありますが、具体的にどのように体制をつくっていくことが重要なんでしょうか?

 

倉片:外国人材が活躍出来ている企業さんの例でお話しすると、外国人材のマネジメントを人事評価に組み込んでおられる企業さんもいらっしゃいます。そうすることで、会社として外国人材を重要視していることが明確になり、全社的に目が向くようになりますよね。もちろん、中には外国人材の採用自体に前向きでない社員さんもいらっしゃることがありますので制度化するだけでなく外国人材を採用する理由を丁寧に説明し、社内に浸透させていくことも必要となりますが。
 

 

ー加納:そもそもなんですが、企業が外国人材を採用する背景としては、どのような理由が多く挙げられるんでしょうか。リアルなお話しをお聞きしたいです!

 

倉片:そうですね、背景は企業さんにより様々ではありますが、多いのは①日本人が雇用できない②意欲的な人材を確保したい③海外進出を目論んでいる④多様性を高めたい、という4点でしょうか。例えば、建設躯体工事における求人倍率は約11倍、設計・測量は約7倍と人手不足が顕著な状況です。そんな中で意欲的に働いてくれる人材がいるとすればとても魅力的ですよね!これが①と②に該当します。また、メーカーさんなどで今後の海外進出や対外的な施策として③、④を理由にされる企業さんもいらっしゃいます。

 

ー加納:企業さんにとっては外国人材が救世主となるケースもありそうですね。今後、倉片さんはどのように動かれていくのでしょうか?

 

倉片:今、KUROFUNE株式会社では日本最大級のFacebookベトナム人コミュニティを運営しているのですが、そちらに加えて外国人材の生活面でのサポートにも着目をして、在日ベトナム人向けの所得補償保険サービスがローンチ目前のところまできております。ケガなどの不測の事態が起きたとしても安心して働ける環境を提供していきます。

 

ー加納:外国人材に寄り添った様々なサービス展開、素敵ですね!週に40~60人ものベトナム人の方からご相談を受けていらっしゃっているとおっしゃってましたもんね!最後に、インタビューを通じてお伝えしたいことがあればお願いします!

 

倉片:外国人材について話が進むと「採用」がゴールになりがちですが、採用後のサポートがとても大切です。彼らは人生をかけて日本という異国の地に来ています。サポートを疎かにするとお互いにとって不利益を被ることもありますので、是非コミュニケーションを大切にしていって頂ければ嬉しく思います!

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