「社員とその家族の幸せを実現」看護師派遣会社ナイチンゲール社長が大切にしていること

「看護を必要とするすべての人に」をコンセプトに、看護サービスを提供する株式会社ナイチンゲール。東京本社を始め、全国に5つの拠点をもつ看護師人材派遣会社です。

多くの派遣会社があるなか、20年以上に渡る経験と実績をもつナイチンゲールですが、驚くのが口コミの良さ。「スタッフの対応が真摯で、常に寄り添ってくれる」「医療知識が豊富で安心してお任せできる」など、同社に信頼を寄せる人が多いことが分かります。

そんな同社の社長・関根冨士子さんは、なんと元看護師！社員が業界知識やサポート力に長けている理由に納得です。しかし、一体どうして看護師から社長になったのでしょうか？会社設立の経緯から大切にしている思いまで、関根さんにお話を伺いました。

インタビュイー：関根冨士子さん

株式会社ナイチンゲール代表取締役。総合病院で看護師としての経験を活かし、1990年に看護師専門の人材会社を創業。現在は、2000年9月に新しく設立のナイチンゲールにて、クライアントや看護スタッフだけでなく、会社に関わる全ての人たちの幸せを願い、社内スタッフも働きやすく常に成長できるような環境作りを大事に、日々経営を行っている。

看護師から経営者へ。運命に導かれて設立した会社

――― 元々、看護師だった関根さん。それがなぜ看護師の派遣事業を始めることになったのでしょうか？ 

6年間臨床で看護師をしていたのですが、ある時、院内で看護研究のメンバーに抜擢されました。あまり気乗りしていなかったのですが、いざやってみると発表した事例が看護協会の主催する成人看護学会で発表されたんです。 

そこに医療系の出版社の方がいて、「看護雑誌の発行を考えている」ということで声が掛かりました。しかし、ネームバリューがないと雑誌の売上が期待ができないという懸念があり、まずは「知名度を上げるために会社をつくろう」という話になったのが始まりです。

そこでできたのが、ナイチンゲールの前身となる看護師の紹介会社です。当時から看護師不足は深刻な問題だったので、優秀な看護師を集めてチームを編成し、医療機関に出向させるという構想もありました。

ですが、当時はまだ20代後半で、もちろん経営経験もない看護師でした。それが数名の看護師とアドバイザーや出資者と会社を設立したのだから、当然分からないことだらけ。なんとか10年弱経営に携わりましたが、諸々の事情から会社を卒業することになりました。

そして、40歳を目前にした私。一度は看護師に戻ろうかとも考えたのですが、なんだか道半ばのような気がして。そんな中、友人の会社から声がかかりトントン拍子で事が進んで再度、看護師の紹介派遣会社を設立することに。その会社が、現在のナイチンゲールです。 

――― 看護師から経営者になるという、きっと大きな決断だったと思うのですが葛藤はなかったのでしょうか？

葛藤や迷いはなかったですね。というよりは、会社が失敗したらどうなるか、会社経営ってどんな大変なことがあるのかなど、何も知らなかったんですよね。でも、もし失敗しても私は失うものは何もないと思っていました。私が持っているのはナースの免許証だけでしたから。 

言い換えれば、看護師免許があれば食べていけるとも思っていたので、苦労はたくさんありましたが、恐怖や不安はなかったです。

――― 関根さんの強い覚悟と、ポジティブな人柄が伺えますね。それでも「苦労はたくさんあった」とのことですが、具体的にどんな苦労がありましたか？また、どうやってその苦労を乗り越えたのでしょうか。 

プライベートでは子どもがまだ小さく、会社では手探りの経営……と、さまざまな苦労がありました。金銭的な苦労や、会社が人手不足という苦労もありましたね。

それを助けてくれたのは、友人や周りの仲間たちです。みんな前向きで、決して逃げろと進めない。「明けない夜はないよ」と言ってくれるような人たちばかりでした。だから大変なことも多かったけど、クヨクヨと悩まずにいられたのかもしれません。不思議と今は、苦しかったことより楽しかったことのほうを思い出します。 

自身の成長も期待できる「看護」という仕事 

――― 看護師に特化した派遣会社である、ナイチンゲール。具体的なサービスや、看護という仕事の大切さについて教えてください。

ナイチンゲールでは主に医療機関、シルバービジネス関連、健康保険組合、企業、教育機関、また個人向けに人材紹介・人材派遣および各種看護サービスのご提供を行っています。

私は、看護だけでなくどのような仕事も、社会で重要な役割を持っていると思っています。そのうえで、看護師とは病める人の一番近くに寄り添う人。 誰に対しても分け隔てのない広い心と慈愛の精神を持ち、なおかつ専門的知識を習得した人だと考えています。

ただ治療をサポートするだけではない、心と心のふれあいが大切。実際に私自身も心のふれあいを大事にしながら看護にあたっていました。今後はとくにそういった精神が重要になってくると思いますね。 

――― 一方で、看護師だったから分かる看護の業界や仕事の難しさもあると思います。そちらに関してはいかがでしょうか？

私含め、看護師のライセンスを取得している多くの方々は世話好きで責任感が強く、 良くも悪くもプライドが高い傾向にあります。 なかには優秀すぎて、臨床の現場で納得できずトラブルになるケースも。 しかしその大半は、 良かれと思う言動や行動に起因しています。

私たち派遣会社はエンドユーザーに接するケースは少ないですが、その間に立つ仕事です。営業もコーディネーターも時には苦労することがありますが、大事なのはまず状況と当事者の気持ちを理解すること。ケアを行う看護師や、クライアントの方々に触れることによって自身の人間性にも磨きがかかると信じて行動しています。 

自主性を大事に。仕事を通して叶える自己実現 

――― ナイチンゲールはどんな会社ですか？特徴や強みについて教えてください。

要望を受けて、迅速な対応ができる会社だと思っています。クライアント、派遣スタッフどちらに対しても対応が早いです。その理由としては、個人の裁量が大きいことが大きいかなと。個人レベルでアクションを起こして即対応できるように多くの権限を与えています。

また、あまり組織の垣根を設けないようにしていて、社内でも他部署、他拠点と接する機会を多く持つため合宿や旅行、 謝恩忘年会などを開いています。

 
――― 一人一人が高い目的意識をもって行動されているのですね。ということは、社員の特徴としては、自主性がある方が多いのでしょうか？

そうですね。仕事を楽しめる人が多く、意見をはっきりいう人が多い会社だと思います。役職などはありますがみんな平等で、あくまでも社内スタッフの自主性を大切にしています。

そのせいか、うちのスタッフはみんなとても勉強熱心なんですよ。医療用語や看護に関わることなど、知識量は経験者の私が驚いてしまうほどです。本や資料は社内で共有して自由に貸し借りできるようになっています。

だから、仮にこの仕事が未経験だとしても問題ありません。明るくて素直な人なら成長できると思います。1年目はしっかり仕事を覚えて、2年目は覚えた仕事を考えながら行う。3年目でその改善点を見つける。というように、常に考えながら仕事をする。なおかつ、自分で意見を発信できる人がナイチンゲールには多いですし、またそういう人と働きたいと考えています。

――― 素直で勉強熱心な社員が多いというのは会社として大きな財産ですね。そのような方が集まるのは社長である関根さんの功績も大きいと思うのですが、社長として大切にしていることはありますか？

私は、社長として最も重要な仕事はお金の工面だと思っているんです。会社の方向性を予測しつつ、10年後20年後の未来までスタッフとその家族の幸せを考えること。今の時代では古い考え方かもしれませんが、スタッフは家族です。スタッフの孫が大きくなるまで会社を存続させる、そこまで意識して共に働いています。

スタッフの幸せと成長が最も大事なので、社内ベンチャーもウェルカムです。やりたいことが出てきた場合には事業部を発足させたり、実際に会社をつくることも。過去には社内から希望が上がり、新会社の設立を行いました。また、あるスタッフの希望で大学院に行かせたこともありましたね。社長として、基本的にはスタッフの望むことを実現させたいと考えています。 

――― 本日は貴重なお話をありがとうございました！最後に、ナイチンゲールでの仕事に興味を持っている方々に向けてメッセージをお願いします。

誰でも平等に与えられた1日24時間。1年8760時間のうち、仕事に携わる時間はおよそ1944時間で1年間の最低22%、睡眠を除けば約30%となり、人生の大半を費やすこととなります。 

その時間を私たちと一緒に苦楽を共にし、やりがいのあるこの仕事で人生を謳歌しましょう。 私たちは、スタッフがこの会社に関心を持てるよう、また、働きやすく常に成長できるような環境を喜んで提供します。  

「会社の業績を誰でもいつでも確認できる」、「部署にとらわれずに 社内プロジェクトチームを組む」、「社外セミナーへ参加をする」など、一つ一つの活動が皆さんと会社を躍動させていく源になればと考えています。 会社を基盤とするあなたの自己実現の扉は開かれています！ 

株式会社ナイチンゲールについて
・ホームページ：http://www.nightingale.co.jp/