社員の生き様をありのまま発信するグローバルパートナーズ 採用活動を通じて代表・山本康二が伝えたいこと

レッド

written by 紺野天地

「若者と企業と世界をつなぐ」を掲げて数多くのビジネスを手掛けているグローバルパートナーズ株式会社(以下、GP)は、若者の採用・育成に力を注ぎ、次代を担う人材を生み出し続けています。

「利己が存在しなければ利他が成立しない」。そう語る山本康二社長に、言葉の背景や「採用」「育成」における視点についてお話を伺いました。

山本 康二 (やまもと こうじ)

山本 康二 (やまもと こうじ)

1971年埼玉県生まれ。1995年株式会社光通信に入社。28歳で取締役に就任し、インターネット事業部長、法人事業本部長を歴任する。常務取締役に就任した翌年の2009年、日本にアリババを誘致し、アリババマーケティング株式会社を創業。
2013年、社名をグローバルパートナーズに変更し、ドバイ駐在セールスチームによる市場調査・営業代行サービスを開始する。以降、YouTube事業やグローバル人材事業、海外進出支援事業をはじめ、国内外でビジネスを展開している。

「一人あたりの生産性を上げる」という視点

――まずは採用の選考基準、ポイントがあれば伺いたいと思います。

前提として話しておきたいのですが、当社が社内的に目標としているのは「日本で1番給料の高い会社」です。

だから重要視しているのは、会社の規模やいくら儲かったかではなく、社員一人ひとりの粗利といった一人あたりの生産性にこだわっています。

 

――理由を伺えますか。

日本はこれから労働人口がどんどん減っていくわけで、かつてのように社員数や会社の売上のような表面上の規模でとらえていたら、将来は目に見えています。

けれど一人あたりの生産性を最大限高めることができれば。単純計算ですけど、人口が半減しても生産性が3倍になっていたらGDPは減少しない。一人あたりの収入が増えれば税収も増えて予算もできるから、社会が豊かになることにつながるでしょう。

僕は日本が世界で最も輝く国になってほしいと思い続けてます。

 

――GPに限った話ではない、ということですね。

そうです。「一人あたりの生産性を上げる」というのは、すべての経営者が向き合うべき課題だと考えています。

例えば、1年間で粗利が1億円伸びている企業が2社あるとして、A社は社員が1万人、B社は100人だとします。A社の粗利は一人あたりで見ると年間で前年比1万円しかアップしていないから、給料が上がる要素はなく、B社は当然一人あたりの生産性が高いし、給料は上がりやすくなる。

今の就活生はその点をあまり意識していないんじゃないかと思います。

 

――たしかに「大手企業に就職できたらゴール」という若者は少なくないかもしれません。

この不景気な日本において「大企業=安定」ではなくて、自分の人生を自分で生きていく力を培うことが安定だと僕は考えます。

若者に伝えたいのは、是非、ベンチャー企業で挑戦してほしいということです。

 

――そこには社長の経験も関係していますか?

あるかな。僕は光通信の入社時に「君らは社長だ。我が社は君たちを経営者として雇う。一緒に経営しよう」という言葉に衝撃を受けた。それまで当たり前だった「年功序列」や「学歴社会」を変える動きの中心で、さまざまな経験をしながら成長することができました。

だから、自分が先輩たちにしてもらったことを次の世代に送りたいっていう気持ちがある。恩送りっていうか。次の世代に順繰りに送られて、未来につながっていけばと思っています。

 

社内ドラマをありのまま発信する意図

(出典:TikTok『densetsu_yamamoto山本社長🚬伝説の営業)』

――GPではどんな人材を求めていますか?

メディアを運用する力のある人。具体的には、GPというベンチャー企業で自己成長しながら給料が増えていく姿を、ロールモデルとして発信していける人ですかね。当社はこれから、社内のリアルをどんどん世の中に発信したいと思っているので。

 

――社内のリアル、といいますと?

社内にカメラがずっと置いてあって、仕事の様子はもちろん、給与明細や昇給・昇格情報さえもTikTokやYouTubeで流していきます。

給料が上がった下がった。インセンティブで100万円もらった。社内表彰で1位を取った。後輩に抜かれた。マネージャーになった。けれどまた降格した。必死になって勉強した新規事業で大成功した。そんなシーンがドラマのように発信されるわけです。

もちろん僕が怒ったり、社員が泣いたりしてる姿もありのままに見せます。

 

――発信する意図は?

一人ひとりのリアルな生き様を見せることで、大企業のレールの上で、マニュアルに沿って年功序列でやっているシステムとは違うと感じて、共感を得てくれた人たちが当社にエントリーをしてくれること。あるいは当社に限らず「自分もベンチャー企業で挑戦したい」と感じてもらいたいという思いがあります。

当社や当社の仲間だと思っている「これから日本を成長させよう」「生産性を上げよう」としているビジネスモデルや技術、アイデアがあるところへ優秀なやる気のある若者がどんどん行ってくれれば。成長が30年止まり、労働人口が半減する将来、日本消滅の危機をこのアベンジャーズたちが救う。それが僕の考えです。

 

――「オープンな情報発信」にこだわるのはなぜでしょうか?

ほとんどの求人やホームページって採用に関して良いことばっかり書いてるでしょ。綺麗な写真と綺麗な日本語が並んでいて「地域社会とともに」とか「成果主義」とか書いてあって。入社したらぜんぜん成果主義じゃないし、いろんな目に見えない壁があって我慢しながら仕事する。

だから僕たちは、GPのことを嘘偽りがないように発信して、カルチャーに合う人材に応募してもらいたい。99%の人に好まれなくても、1%が「ここで働きたい!」と思ってくれたらいいです。

 

採用において「僕の視点はありません」

(出典:YouTubeチャンネル『山本康二 | 若者と世界を変える』

――山本社長個人としても、最近はメディア露出が増えていますね。

そうですね。採用経路もYouTube番組『就活サバイバルNEO』が多いかな。

僕は16歳のとき、尾崎豊の曲を聴きながら「大人の敷いたレールの上を生きるのが嫌だ」と悶々としていました。これじゃまるでロボットみたいだって。

自分の意思でメディアに出て、夢を語ってアピールしている人とは共通する部分がありますね。

 

――山本社長は求職者のどこを見ていますか?

僕自身の視点はないです。光通信で働いていたころも含めて30年ほど採用に携わっているけれど、自分に人を見極める力はないと思ってます。どんな人でも一生懸命だと好きになって、全員採用しちゃうから(笑)

判断の基準は「お客さんだったらどう思うか」だけ。自分がお客さんだったらこの人と契約するかな。経営課題について本音で語り合えるかな。そうやって見ています。

 

――ではGPとして採用基準はありますか?

求職者とうちの社員の双方が「一緒に働きたい」と思うかどうかです。

だから就活サバイバルNEOで内定を出したら、そのままオフィスに連れてきて、見学したり社員と話をしたりしてもらっています。「お客さん目線」「本人目線」「社員目線」の掛け合わせってことになります。

 

――採用って実際難しいですよね。

そうですね。親心みたいなものはどうしても出てきます。

今の新卒世代って、自分の子どもと同じくらいの年代なんですよ。それを思うと、どんな人にも家族や恋人、友達がいるわけで。自分の子だったら見捨てられないし、むしろ成長する機会を提供したいって思うのは、ある意味必然なんじゃないかな。

 

自問自答を続けて己の考えを持て

――社長やGPの周りに集まってくる若者に共通点はありますか?

「自分は只者じゃ終われない」っていう根拠のない自信や野心を持っていることですかね。

勢いだけで空回りしている部分もあるけれど、これから経験を重ねる中で、その自信に筋肉がついて土台ができていくんじゃないでしょうか。

 

――前に進むために大切なことってなんだと思いますか。

自分の考えを持つことです。人は感性、能力、成育過程など持ってるものが違うから、そもそもの考え方が異なると思います。だから他人と意見が違うのは当たり前で、軋轢が生まれるのが前提。その軋轢が生まれたとき、引き下がらないで自分の考えに弾力性を持たせ、より包括的な意見を生み出す。それが成長なんじゃないかと僕は思います。

そうすれば、仮に社長と意見が違っても、顔色をうかがったり、妥協したりする必要がなくなるよね。妄信や過信ではなく、自分が培ってきたものを信じるというのはすごく大切なことだから。

さっき僕は「日本」という利他的な視点で話をしたけど、若者が自分の考えを意見として述べることで、利他のスタートラインに立てるとも考えています。

 

――若いうちに「日本をどうにかしたい」という利他的視点を持つのは難しい気もするのですが。

スタートは「人気者になりたい」みたいな利己でいいんです。利己を突き詰めていくうちに、「利他にならなきゃ利己が成立しない」という方程式にたどりつくんじゃないでしょうか。

例えば自分が人気者になりたいなら「何をしたら周りの人が喜んでくれるか」という視点が欠かせないでしょ。人生とは?自分とは?社会とは?って自己探求するうちに、利己と利他はひとつになると思う。

案外、究極の利己と究極の利他って、輪っかになってピタッとくっつくかもしれないね。どっちにもなれない人は真ん中あたりで、口裏合わせてきれいごと言ってる気がする(笑)

 

――ベンチャー企業への就職を考える若者たちにひと言お願いします。

次の世代の若者がアベンジャーズになって世界に挑戦していく姿を見ていきたいし、応援していきたいと思ってます。それが、僕が一番喜びを感じることです。

 

【取材後記】

インタビューの中で利己と利他の話がありました。「日本で一番給料の高い会社」を目指す利己と、日本を豊かにするべく将来の一端を担おうとする利他。一見真逆ともいえる両極を、GPは同時に実現しようとしています。

それは山本社長が己を真っ正直に表現した上でのカタチであり、現時点では稀有なこのカタチこそ、若者たちを未来が待ち遠しいという気分にしてくれる新しい働き方のモデルケースなのだと思います。

 

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