グローバルパートナーズが考える非認知能力の重要性と、日本を担う後世に伝えたい意志の叶え方。
written by 五十嵐清美
グローバルパートナーズ株式会社(以下、GP)は、「若者と企業と世界をつなぐ」を掲げ、日本のGDP向上を目指して国内外でビジネスを手がけています。
学生時代の留学経験から、将来は教育に携わりたいと切望していた上野さん。ご自身のビジョンど真ん中とも言えるGPU大学校の事業責任者に着任されました。入社当初から教育への思いを募らせ、希望を叶えた上野さんのこれまでの歩みをご紹介します。
上野 里菜(うえの りな)さん
2020年08月 入社 グローバル人材事業部に配属
2021年09月 グローバル人材事業部教育部立ち上げ
2022年07月 グローバル人材事業部・営業サブマネージャーへ異動
2023年04月 経営企画室へ異動。新規事業での営業を担当
2023年06月 GPU事務局・事業責任者へ着任
前職の人材紹介から転職でGPへ入社。学生時代のカナダ留学では習っていた英語が通じずに苦労した経験がある。その経験から学問以外の非認知能力を伸ばす教育の重要性を訴え、念願だったGPU事業責任者に着任。入社前から変わらず教育への並々ならぬ熱意を抱えている。将来の夢は、お母さんになること。
海外への憧れと身に染みる国内ビジネスの奥深さ
ーーー上野さんはもともと海外に行きたくてGPに入社したんですよね?
そうなんです。漠然とした海外への憧れがあって、GPの求人に惹かれて応募しました。ただ、その頃の私に言いたいです、「甘いぞ」と(笑)
ーーーそれはどうしてですか?
灯台下暗しというか、入社して3年がたちますが、国内でのビジネスを通して奥深さと面白さを痛感しています。GP自体が多国籍で日頃から異文化交流が盛んなので、国内にいながら日本との違いをお互いに感じることもしばしば。だからこそ、考え方や価値観文化が全く違う人たちと一緒に、新しい環境や土地でビジネスをやるということが正直まだ想像できません。
また、自分がどれだけビジネスをできる人間なのかという点で、これまでの営業経験があってもなお、今取り組んでいる国内の新規事業は面白い反面難しい。幅広い業界の経営者や決裁者に対して、現状の経営状況をお伺いし、問題提起と課題解決までを行う事業で、自分の伸び代に奮闘する毎日です。
ビジネスを知れば知るほど国内でも難しいのに、異国で考えや価値観の違いを理解しながら仕事をするなんて、いつになったらできるようになるんだろう?と途方のない壁を感じているところです。
ーーー知れば知るほど、ですね。海外志向の他に、GPを選んだ入社理由はありますか?
面接の際、将来「社会で生きていく上で必要なコミュニケーション能力や非認知能力など、学校以外で習うような学問だけじゃない大事な部分を教えられる塾をやりたい」という話をしました。それは学生時代のカナダ留学で英語が全然伝わらなかったことがきっかけ。
自分が学校で習っていた英語は使えない英語だったんだ、と当時は大きなショックを受けたんです。
話を聞いた社長から「その塾の構想、GPで将来やるよ」と言っていただいたことがきっかけです。
実際に今その思いを汲んでいただき、GPUというオンライン大学校の事業責任者を担当しています。
*GPUとは・・
”未来を描く意志を育む”をコンセプトに、学生が企画から運営までを行うオンライ大学校です。学生時代から社会の第一線で活躍する大人に触れる学びの機会を創出し、将来を考えるきっかけを提供しています。自分の興味関心や強みを理解するコンテンツなど、アカデミックな学習だけではない非認知能力を育成するカリキュラムも続々登場予定です。詳しくは下記HPをご確認ください。
https://gpu-online.com/
熱意と行動で掴み取ったGPU
ーーー手を挙げる意志をしっかりと汲み取ってくれる会社ってすごく良い組織ですね。
そうですね、入社当初から私もそう感じています。GPUに関わる前、入社1年目の私が教育部を立ち上げたいという話をしたことがあります。ですが、それまでにチームで営業目標を達成できたのはわずか1回。そんな私が教育部をやることに対して社内からは反感がありました。そんな時に背中を押してくれたのは社長で、全面バックアップしてくれたんです。入社当初から教育については言っていたし、お前ならできるよ!と。GPで新規事業の立ち上げる際には社内プレゼンが実施されます。その資料作りにも、社長が深夜の5時ぐらいまで付き合ってくださって。次の日のプレゼンはグダグダでも最後には熱量が伝わって推してもらえて教育部を立ち上げるに至りました。GPUでも同じです。実績だけじゃなく意見や根拠を提示して説得できれば任せてもらえる会社ですね。
上司だって部下の将来やりたいことや、それが今の仕事でできているのか、繋がっているのかなんてわからないと思うんです。自分が幸せかどうかって相手に伝えないと相手もわからないし、私はこれがやりたいという意志をちゃんと伝え続けることが大切。今回のGPUはまさに、伝えたからこそ巡ってきた機会だと思います。言っても無駄だと諦める前に、まずは相手を信じて伝えるところから。そんなコミュニケーションができたのは、信じて託してくれるGPだからこそですね。
ーーー教育部の立ち上げは、今のGPUを見据えてのことだったんでしょうか?
そうですね、この時はまだGPUは構想状態で、意識してはいたものの自分の実力に自信がありませんでした。そんな時、所属しているグローバル人材事業部に眼を向けると、育成課題が気になったんです。まずはここからだな、と。
その頃の会社は採用強化期。毎月新人が入ってくる中、ベテラン勢はプレイングマネジャーのみ。自身の営業数字を追いながら育成する状況が続いていました。GPは良くも悪くも昇格が早いので入社3ヶ月でリーダーになる人もいて。慣れない育成の中、疲弊し始めた同期を見ていて全体で勝つための最善策はないのかと模索しました。そこで、新人教育を担える専門チームがあれば、個人の負担が減って、組織の生産性が上がるんじゃないかって思ったんです。熱が入りましたね。新人にとっても聞きたい時に側に誰かがいるっていう安心感は大きいし、離職率や早期戦力化にも影響します。個人で勝つより組織で勝った方がインパクトの大きい仕事ができるし、楽しいと考えるタイプなので、現場の声から教育部の立ち上げを提案しました。
ーーー気づきから立ち上げまで一貫されたんですね。これまでのご経験は多岐にわたっていらっしゃいますが、現在はどんな業務を行っていらっしゃるんですか?
GPU事業を7割、他3割という感じで、3割は新規事業関連で、主に企業開拓のアポイント取りを行っています。GPUは事業計画の策定から、関わる学生のマネジメント、講師として登壇してくださる方々への説明や当日の段取りなどの動画撮影までのあれこれ。動画を配信しているGPUのアプリも絶賛修正をかけているので、GPU事業に関わるほぼ全てを私が担当しています。GPUは創業期の立ち上げフェーズが終わり、現在成長期真っ只中。1から10にしていこうという段階で、組織もサービスも加速度的に変化しています。
これまでのGPUでは、学生が経営者に行ったインタビュー動画を見てインプットすることが中心でした。これではGPUが描くビジョン”未来を描く意志を育む”には到底届かないのでははないか、という印象があって。私自身がやりたかった、非認知能力を高めるカリキュラムや、インプットだけじゃなくてアウトプットも行うカリキュラムを計画しています。GPUを通して、私が今やりたい教育のかたちや、学生になってほしい本当の姿が出来上がりつつあります。
入社当初から教育に関わりたいと思っていたので、GPU事業はまちがいなく私のど真ん中。絶対にやりたいと思っていたので、社内で猛烈にアピールしました。
これまでの挫折や葛藤、全ての経験が糧になる
ーーーこれまでの経験から自分の成長を感じるポイントは何でしょうか?
自分の当たり前を疑う心と、営業活動で培われたコミュニケーション能力です。GPUで実施した新体制発表のためのプレゼン資料では、教育部での研修経験が活きました。教育部での導入研修では、正社員デビューの若手も多かったので社会人の基礎からがスタートでした。自分は当たり前に思ってても、学生は知らないことがたくさんあります。その当たり前を疑って、これは根底から話すべきだなとか、段階踏まないと相手に伝わらないな、といったストーリー作りのノウハウが鍛えられました。最近では、資料を作っていると質問が出そうなポイントがわかるようになり、先回りして補足資料を仕込めるようになりました(笑)
2つ目は、営業を通して身についたコミュニケーション能力。前職では人材紹介をやっていたのですが、営業成績は下から2番目ぐらいの結構ビリ。営業向いてないなと思うぐらい営業苦手だったんですよ。それでも歯を食いしばってやっていたら、人との話し方や共感の仕方、コミュニケーション能力が上達したように感じます。その経験が今、GPUの動画撮影での場回しに活きています。営業は全ての基礎だといろんな経営者の方がおっしゃっていますし、あの時の踏ん張りは無駄じゃなかったと思いますね。
正直にいうと、人生の先輩方とのお話はまだまだ緊張するし、知らない言葉も多いのでほんの少し恐れがありますが、学生とのやりとりは楽しいですね。学生は純粋で、素直で、少し偏屈な子もいると感じるくらい性格と表情が豊かで面白い。少し大人な自分が何かを教えたり導くことが多いので、責任感も感じます。一方で、学生に対するマネジメントはまだまだ自分の伸び代です。私もそうでしたが、好きか嫌いか、楽しいか楽しくないか、の感情が行動する時の心理状態に色濃く出ます。そこになるべく必要性を見出して意義を伝えることが、今の私が向き合っている課題です。
ーーー社会人と学生、立場が違うとコミュニケーションも変わりそうですね。
はい、しかもGPUは完全無給でアルバイトとは建て付けが少し異なります。今のお金は稼げなくてもこの経験によって将来年収を押し上げる糧にしてもらえます。また、ビジネスをする上で自分でやると決めたことはやり切れる人になってほしいんです。なので「これはあなたの仕事です」としっかり伝えて求めることを意識しています。
正直、私の中でも最初は葛藤があって。アルバイト代ぐらいは渡してあげた方が良くない?と思っていたんです。でも、アルバイト代とかそういう問題じゃなくて。自分がちゃんと成長できることをしてるんだっていう自覚がそもそもないと続かないなっていうのがだんだん分かったので、成長機会と成長実感を伝えるのが私の役目だなと考えるようになりました。
それで離れる子もいますが、これまでの経験から、時には割り切ることと嫌われる覚悟が必要なんだと強くなれました。学生からは”何を目指してるかわからない”、”ついていきたい大人がいない”とぐっさり言われたことも。引き継いだ当初、GPU事業を自分ごとにできていないという反省もあって、自分のリーダーシップのなさと自分のコミット力の低さを痛感させられましたね。事業を引き継ぎ型通りにやった結果、前任が作り上げてきた組織やサービスに対して不完全燃焼な自分がいたのも事実。今思えば、勇気を出して言ってくれてありがとうと思っています。
ーーーなんとも濃厚な経験ですね。今の自分の伸びしろを3つ上げるとしたら何でしょうか?
1つ目はコミット力ですね。学生に言うなら、自分ができてないと。やると決めたことへの約束の強さは、基本だからこそこだわり続けたいです。
2つ目は、自分のビジョンを叶えられるための道すがら、離れて行く人を受け入れること。自分は自分のビジョンを信じてやり続けて、追いつかない人とはお互い頑張ろうねって離れていくのは仕方ないことだって山本社長に教えていただきました。そのビジョンを一緒に叶えたいと言ってくれる賛同者を大事にしなよって。私は全員救いたいとかマザーテレサ思考だったんですけど、多少の犠牲も仕方ないということは学びましたね。
3つ目は、自分ごとにして在るべき姿を考えることですね。自分ごとになっていないと何事も全力を向けられないと思うんです。
例として、GPUでの定例会のお話をさせてください。引き継いだから意義を考えずにとりあえず実施していた定例会。回を追うごとに多かった出席者がだんだん減ってきて、学生のモチベーションも比例して下がっていきました。考えてみれば、定例会の目的ってそんなになかったんです。報告がメインで文章のやりとりでもできることだったので、「いっそやめちゃおうよ!」と形骸化していたものを捨てることができました。何かをやめる決断ってすごくハードルが高いことのように感じてたけど、やめる理由がちゃんとあって。組織としてうまくいく他のことがあるなら、そっちに時間を投資したいって思たんです。やめる勇気はそんなにいらなかったなって大きな気づきになりました。
感謝を対価に、日本で生き続ける道を模索する
ーーー働く中で大切にしていることはありますか?
2つの軸を大切にしていて、固定概念を持たないことと、新しい何かとの出会いを楽しむことです。
カナダ留学に行った時に、多文化でゴーイングマイウェイな人たちとの出会いが本当に衝撃だったんです。この体験がきっかけでこの2つの軸を考えるようになりました。それまでに出会っていた大人はどちらかというと外の世界にはあまり触れたことがない私にとっては反面教師タイプ。その影響から色んな文化を許容し合える柔軟さをいつも持っていたいし、固定概念にとらわれない自分でいたいと思っています。幅の広い人間になるために、相手の意見を受け入れられる自分でいたいんです。
いつか自分が母親になった時に子供にそういう柔軟な考えを伝えられる親になりたいなと思っていて。自分がいろんなことを知っていたらいろんな世界を見せられるし、実際に子供ができなくてもGPUや塾での関わりの中で柔軟な考えを持つっていうのを伝えていけたらいいなって思っています。
ーーー改めて上野さんにとって仕事とは何ですか?
なんだか情熱大陸みたいですね(笑)
GPUをやり始めてから、後世のためにという社会貢献的な要素がより強くなりました。
GPUを始めて目の当たりにしたのは、学生が感じている日本への不安。経済や人口減少、教育改革の遅れなど、学生たちは将来の日本への不安を募らせています。日本の文化や生活圏としての安全性、食べ物のおいしさなどの日本らしさへの愛着はあって守り続けたいとは思うけど、”自分は日本で生き続けられるのだろうか”と。
そういう現状や、今社会で活躍するGPU登壇者の皆さんのお話を聞いて、私も後世に日本を残せるような社会に貢献できる人間でありたいと思うようになりました。GPUに登壇してくださる方々のお話から、社会貢献度の高い人は収入が高いと感じています。誰かからのありがとうの対価なんですよね。日本で生き続けるために収入を得る必要がありますが、社会に貢献した感謝の対価として収入を得られる人になりたいなと思っています。
ーーー上野さんが後世と日本にこだわる理由は何かありますか?
やっぱり私も日本が好きだからです。もうそれしかないくらい。そして逆境好きでもあります。嫌なことや辛いことから逃げるのは性に合わないんです。壮大かもしれないけど、日本も自分ごととして考えたら、立ち向かって変えていくしかないなって。そういう一人ひとりの気持ちが少しずつ日本を変えるんだと思います。山本社長が掲げてる「日本のGDP」を上げるという一見壮大なビジョンも、GPUから何かをやり遂げてくれる次世代のリーダーたちがどんどん輩出できたら、成し遂げられそうな期待感があります。海外に抜け出す手段もあるけど、自分にとってはやりきるだけやってからの最終手段ですね。
ーーーこれから成し遂げたいことやトライしたい事はありますか?
今の目標は、プロジェクトを推進できるプロジェクトマネージャー(PM)の力をつけることです。GPUでまさに向き合っていて日々成長痛を感じているところですが、PMとしての力がつけば何だってできそうな気がしています。PMという仕事は、私にとっては果てしなく、とてつもない仕事なんです。イントレプレナーとしても大事なスキルだと思うし、起業はあまり視野に入っていないけど、一刻も早く一人前のPMになりたいですね。
ーーー最後に、後輩に向けて、一言メッセージをお願いします。
”海外でいつか何かをやりたい”と思ってGPの門戸を叩いてくれる人たちがすごく多いし、私もその一人だったから僭越ながら。海外でビジネスをする前に、国内で実績をまずは積む大切さと、自分の意見を大事にしてほしいということをお伝えしたいです。「意見なんて言っても無駄だから」とか、「上は聞いてくれない」って諦める前に、まずは人に言う。その伝え方もすごく重要なので、相談方法がわからなければ私に聞いてください(笑)
GPは、受け入れてくれる社員ばかりです。自分だけじゃなくて会社が良くなるための意見はきっと通るし聞いてもらえるので、そういうマインドでイントレプレナーシップを持って成長したい人たちと一緒に働けたら嬉しいですね!
===(取材後記)===
新規事業立ち上げやサービスローンチなど、大きな動きがある時にはいつも上野さんのお名前を聞くんじゃないかと思うほど、第一線で常に旗を振り続けていらっしゃる印象があります。そんな中放たれる「新・GPU 山本塾」。上野さんの熱意に溢れたサービス、必見です。